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星屑の贈り物

夏コミお疲れさまでした。
いや、私は参加していないどころか、まず仕事をしていたのですが……。
申し訳ありませぬ……もうすぐ……もうすぐ、色々と……。

……で、夏コミも終わり、通販物がちょいちょい届きつつあるので。
軽く時間を見繕ってちょいちょい見ていたりしたものの宣伝であったり感想であったり。
つまりこう……そういうことだよ!久々にすげー好きなもの見つけちゃったから、語りつくさないと気がすまないんですよ!
基本的に業務連絡オンリー状態だったこちらのブログですが、こんなもん読まされたなら、どこかしらに吐き出さねばならん……。

というわけで、勢いのままに、つらつら語り続けていくので、お見苦しいところもあるかとは思いますが、
興味があるなら私のたわごとに耳を傾けておくんなまし。

私が手にするは永遠を型に閉じた匣。あるいは幻想を枠に取ったもの。
中身に興味があるならば――どうか幾許か、この詐欺師の言葉にお付き合いを。
というわけで、今回紹介する作品はこちら。
またお前はすぐ人の影響受けるー。とか突っ込まれたりもしつつ。

gift(カゲ路)の通販・購入はメロンブックス
https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=134994

カゲ路さんがこれまで出版された艦これ同人誌の総集編。
全356ページ。ちょっとした小辞典というか、角で叩いたら痛そうというか、
なんていうか凶器です。

※私は一切関係ない、1ファンであり、その立場からの感想です。

さて、肝心の中身の話をいたしましょう。

順番通り――とはいきません。まず最初。

0.「少女の匣は夢を建つ」

どうしてこの物語を一番に持ってきたのか。
それはこの物語が、もっとも「艦これ」という箱(セカイ)の仕組みについて触れており、
同時に、この物語が最も私に隔絶を与えた話だったからです。

いや、まってください。とりあえず私の主張を聞いてほしい。
よし。まず大前提。
艦これ二次創作には色々な題材で書かれたものがあります。
「艦が女の子になったもの」
「艤装を付けた女の子が艦娘になるもの」
など、設定からして千差万別な作品の中で、自然と出てくるテーマというものがあります。

それが艦娘――の中の、「艦」と「娘」の差異。

「兵器」であった場合の「艦」としての彼女達。
「人間」として見た場合の「娘」としての彼女達。

つまるところ、「今話をしている彼女達の心は、一体何処にあるのだろうか」
それは意識の証明。自我の説明。
心という不定形を、君はどうやって論証するのか。
艦娘は言語を介し、人格を持ち、感情を持ち、いわゆる「ひとのこころ」を持っているかのように見えます。

――けれど。
ならそれは、一体何処から発生したものなのだろうか。
君を構成する要素の何割が、果たしてどこから出てきたものなのか。

彼女達は艦の記憶や意識を持ち、己を「○○という艦である」と自認しています。

――では、その認識は何時生まれるのだろう。
艦娘として生まれた時に発生するのか。
あるいは艦であった時から、既に自意識を持っていたが表現する術がなかったのか。
――あるいは、外部から刷り込まれたものなのか。

理由はどうあれ、艦娘には心があるように見えます。
匣では、そうした艦娘の謎について、一つの結論を出しています。
彼女達は酷く人間的であり。その慟哭も感傷も、人間そのものであって。
――だからこそ、私には何処か歪にも見えるのです。

最初に読んだ時の感想はそれでした。
完結した、外から見れば歪な世界。
それが、私には理解が出来なかったのでした。
ただ、後になって気づいたのですが、それを歪と思うのは、神の視点を持つ読者だからこその特権であり、外から見れば歪に見える世界は、何一つ問題なく回っています。

そういうセカイを容認すること自体が、多分私にはなかった発想だったので、肯定してしまうっていうのが最初はちょっと理解できなかったんですよね。
幸福の定義というのが、多分根底でズレてるのかなー。などと、思ったり。
というか、今も理解は出来ていないのです。ただそういうものだとおいているだけで。
それでもこの「匣」という異世界は、絶対的な説得力を持って、「私の世界」をなんかすさまじい勢いで浸食してくるものだから、結構な衝撃を受けたというか……。
ええまあ。要はこれで決定的にハマっちゃったんですよ。はい。

また、今回の提督描き下ろしの独白。
あれは絶対的に「正しい」ものです。その正しさを私は否定できません。
ただもう確実にあの独白を前に隔絶を感じてしまったもので、もしも私にその正しさを強要されるなら、私はその「正しさ」を否定せざるを得ないでしょう。
結果として敵対者になるとしてもです。
或いは、その「当たり前」を許容できない己の歪に苦しんだか。
箱全体に関する、個人的な主観はこのくらい。

……それでは次に、個別に収録されている物語、および登場人物についての話をいたしましょう。
つまりは、世界の内側――なにはともあれ心を持った、彼女達の物語ということです。

いや、まあどの話も好きなのですが。
(鈴熊沼――というか最上型沼に関しては完全に冬の本で勝手に落とされてしまいましたし、木曾などは元々好きでしたし)
その上で、個人的な話をしますと私は雪風の話が最も好きでした。

1.「煌めき燃ゆる最果ての――」
  「その最果てに至る」


タイトルからして「ああ…」となんだか察してしまうこのセンス。
作中では「よだかの星」を当てはめて綴られる物語(全体的に宮沢賢治然としており、そもそも賢治好きな私にはクリティカルヒットでしたが)。
最後には彼女は星になり、今でも燃えているのではあるけれど。

雪風は星を目指すというより、星に手を伸ばすしかできない、星になりたい少女なのかなと。
あるいは星屑。スターダスト。空から落ちてきたなにか。

そもそも最初から、彼女の居場所が地上にあったのでしょうか。
姉妹に囲まれながらも、ついと星を見つめる彼女のそれは、望郷に近い想いではなかったのかと。
何処か感傷的な雪風の姿は、地上を生きる少女というよりも、迷子になって落ちてきた、星の王子様のようだなぁ、なんて。
そんなことを思ったのです。

2.「さあ故郷よ――何処へ行こうか」


「少女の匣は夢を建つ」と続いた作品であるこちら。
機械的なパーソナルの熊野が真に「心」とよぶものを得たのだとしたらこの物語なのかなぁと。
あくまで個人の感想ですが。

この物語の熊野は、匣の時と違い拒絶感なく受け入れられるので、結局その辺りが自分にとっての隔絶なんだろうと思います。
「それ」が外界から人為的につくられたプログラムか、それとも自然発生した感情なのか、という。
いや……まあ、人間の感情自体が電気信号で起こる現象でしかないので、我々の感情やパーソナルが、必ずしも自然発生したものだとは言えないのですが。その辺りはまた面倒な話になるので、置いておいて。
内容も構成も分かりやすく好きです。
ただ、同人版でのタイトルのギミックの印象がどうしても薄れちゃうのは、もったいないと取るべきか、既刊を持っているが故の優越感に浸るべきか……。

3.「君の眼窩に祝福あれと」/「環状線の抜けたその先」

しかしどんな順番で選んでいるのかというと、思いついた順番でございます。
この話については……まるゆこわい……みたいな感想がまず出てきちゃうんですが。
まあこれこそ本当に「幸せの理由」というテーマなんですよね。
何を持って幸福と呼ぶか。定義の話。
誰かは欺瞞だと言うかもしれず、これこそが幸福だと唄うかもしれず。
……まあ、しいて言うなら、まるゆは幸せなのだろうけど、木曾はパラダイムシフトしなければ幸福を得られなかったという部分が、
恐らく私の隔絶で。
結論としては、木曾もまるゆも、幸福なのだと思います。
ただ、まるゆが、最初から「それ」を前提とした存在であるとしたならば。
彼女の唄う「幸福」は、彼女が望んだことなのか。――それとも「まるゆ」に最初から設定された機能なのか。
みたいに無駄に深読みもしてしまったり……。

4.「強情っ張りへの勝ち方」
3のラストのページの熊野の笑顔がなんかすごい好きです。
全体的に楽しい話でした。イエス!

5.「カギノヒロ」・「夢の温度」
全部の感想書き出すとすごい長くなりますね……。
メロンブックス通販でずっと売り切れ状態だったので、実は読みたくてしょうがなかった部分。
「煌めき――」辺りで陽炎型沼に落とされたり、ストリートチルドレン陽炎型に落とされたりしたので、
本当に本当に読みたくてしょうがなくてやっと読めて嬉しいのです。
やはり、雪風……。
ぺかーって部分の欺瞞感がたまりません。
でも彼女はこの世界にいる限り、嘘を吐くしかないのかなぁ。とも思います。
私は「嘘吐き」が救われたらいけない。とか、そんな気持ちはなく、むしろ優しい嘘吐きは好きな類なんですが。
それとまいのわ。
この個所とはあまり関係がありませんが、表紙絵の中だとまいのわが一番ジョバンニとカムパネルラ感ありました。
小学生並の感想。

6.「アイアンメイデンマインド」
pixivの再録を読んでおります。
「こわ…」っていう夕張天竜好きです。
私も「こわ…」って思いました。

7.「ないものねだり」/「おくびょう者の願い」
8.「花と光のアルペジオ」
近い物語だと思うのでまとめて。
主に麻耶様について。
ヤンキーのように見えて、実はお嬢様で習い事関連結構いける麻耶さまというイメージ。
麻耶像が「あ~、確かにな~」と思ったり思わなかったり。
態度やら、口調のせいで分かりにくいものの、基本的には頭の良い子なんだろうなと思います。
まあしっかりしてて意外と冷静な感じの。

――それを言うと、同じく荒い口調の天龍・木曾像についても触れたくなりますが。
天龍は次の項で触れるとして、木曾は口調はともかく、性格的にはむしろ真面目で実直なイメージだったり。
まあ基本的に、麻耶と木曾に関しては、「ヤンキーっぽく見えるが結構ややこしい部分がある」みたいなイメージでした。
で、そのイメージのない――

9.「くろがねのとも」

軽いヤンキーな天龍ちゃんについて。
――白状します。私はこれまで天龍というキャラクターにイマイチ魅力を感じていませんでした。
なんかこうチョロい、とか、可愛いというキャラ付けは一般的でしたが、そういうところに魅力は感じず。
かといって、掘り下げることもしなければ、見たまんまの軽薄なヤンキーというイメージでしかなく。
……が、この描き下ろしのおかげではじめて、「天龍ちゃんかっこいいじゃん…」と思えるようになりました。
別にややこしい部分を得たわけじゃないのですが、その「軽快なヤンキー」という部分だけでも魅力になりえるんだなぁと。

「インスタントで軽快なロックが好きで、単純にカッコいい」

それだけで全然良いじゃないか…みたいな。

10.「無限の航路」

これもメロンブックス通販で買えなかったので、読んでいない作品でした。
読みたかったのです…サンプルだけでも……ぐぎぎg。
それで読んだところ……なんというか。
めちゃくちゃ一番好きかもしれない鈴熊話でした。というか私が銀河鉄道の夜を一番好いているせいかもしれませんが。
鈴谷と熊野の内面の掘り下げももちろんですが、しれっと引用を吐き出す鈴谷と、それに洒落た言い回しで返す熊野。
星の海を渡りながら――というこの構図がもう最高にキザでロマンチックで綺麗で素敵なんですよね。
あれこれ難しい話などもしてきたこの感想というポエムでごぜーますが、いや、ほんと。
理屈じゃない部分で人の心を突き抜けてくるのが、ロマンという弾丸なんじゃないかと思いました。

11.「24クルーザーズ」
――圧倒的、ポエム力。
歯が浮きそうになるセリフだったり、あと熊野の妙に実用的な部分だったり。
そして書評のあとのページ。なんというか、ありがとうございました。というか……

本全体の構成として、鈴熊(強情っぱり)から始まり、周りに広がりながら、再び鈴熊に帰結しつつも、
「匣の外を見てみよう」という、そんな終わり方。
綺麗で好きです。そして、だからこそ、「匣の中の物語」である総集編は、あの一文を持って終わるのだろう。
なんて、思ったり。して。

おわり.

4時間くらい延々書き続けてしまいました。読みにくい個所もあったと思います、申し訳ねえ……。
しかし、なんというか私がどれだけこの匣を気に入ったのかということだけはどうにか伝わってくれたと思う……!
後半は解説しているのかポエムを綴ってるのかわからない状態だったりもしたのですが、一流の分かり手になって分かってください。

隔絶だとか理解できない的なことも書きましたが、気にしてはいけない。
そもそも人間とは前提からして相互不理解な生物ですから。
艦娘の心の所在。自我の証明が出来ないように、相手が人間であって尚、その在処などわからない。
だから似たようなものなのです。理解できねぇってことが気に入っちゃいけない理由にはならないし、例えその在処が、隔絶の向こう側だとしても、私はこの匣の在り方が、何故だかものすごい好きなのでした。
ただそれだけの言葉の為に、ここまでアレコレ付加要素を付けてきたのですから。

……いや、本当に。
分量に負けない質量が、その中にはありました。
356ページ。それだけの量でありながら、
1頁から感じる熱量が。
1コマから通じる質量が。
空に緋を残す、星の欠片のようでした。

これで興味を持ったみたいな方がおられたら冥利に尽きるというモノですが、私としてはこれまで溜め込んできた思いを吐き出せたので、中々スッキリしたというか。
「うわー、すげぇ…すごいもん描いてる…なんていうか、すげぇ…」
という非常に言語不足な感想しかこれまで吐き出していなかったので。久々に語りつくした気持ちで満足です。
情動にラベル付けする行為は大切ですね、本当に。
しかしなんとも読みにくい形になってしまいました。

私はほら、ステルスマーケティングマンですので、基本的にはひたすら宣伝していきたい派なので、買って、読んでくれると私が(勝手に)嬉しいです。
というかほら、読んでくれ、買ってくれ…多分うちのユーザーは絶対好きだから……。
硝子の月とか気に入ってくださった方はそれとなくふええってなるから……。
なんというか、ものすごい近い地点から、全然別方面に向けて歩き出してるけど、両者とも生の肯定と幸福の定義を求めてるんだよなぁみたいなそんな気持ちを感じてほしい。
めちゃくちゃ勝手に近いって言ってしまって申し訳ないけれど、結果的に別方面に歩いてるので許してください。

私はほら、己の悲劇や歪さを自覚して自認して自嘲した上で、他者から与えられた幸福を殴り飛ばして、天地に一つ我を張って世界に喧嘩を売って生きていく人が好きなんだ(個人的イメージ山城さん)

なんだかとっても語りつくしてしまったので、それでは今回はこの辺りで。
お付き合いいただきありがとうございました。

……気づいたら、5時間近く、書いてたよ。
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プロフィール

森野いづみ

Author:森野いづみ
ノベルゲームを製作してたりするフリーライター。業務実績は下記にてのせています。
http://girlwhodreams.blog.fc2.com/blog-entry-176.html
お仕事等のお問い合わせ、ご連絡はこちらからどうぞ。
 morinoidumi@gmail.com

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