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まつろわぬ星と、艦の話(同人誌感想)

気が付けば、もう半年くらい放置していたこのブログ。
ええ、ええ。今日も相変わらず気に入った同人誌を紹介していこうというやつです。

そんなわけで紹介するのはこちら。
道すがらの道しるべ(crocus)の通販・購入はメロンブックス https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=150882

こちらの総集編を買った上で、ご購入されるとよろしいでしょう…。完結篇でございますので。
あまつみかぼし(crocus)の通販・購入はメロンブックス https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=130391

それともう一つ前の遠回りの世界も。とりあえずこの辺りを抑えておけば…。
そんなわけで相変わらず、魂を燃やしながらの解説であり紹介であり説明でございます。何時間かかるかはしらない。気のすむままに書き殴る。
勿論、こんなところに書いている以上、私はこうもっと信者的な意味で崇拝しつつ、もっと知ってほしい…突き刺さって…!って気分で書いているので、興味を示されたら読んで。どうぞ。喜びます。私が。

というわけで、物書きにあるまじき、魂の在り処を示す感想書き殴り、スタート!
なに。人は皆ポエマーサ☆
さて、そんなわけで道すがらの道しるべ。というよりも、その前のあまつみかぼし、からでしょうか。
実の所私は割と前からファンであり、感想を並べる機会をうかがっていたわけですが、あまつみかぼしの総集編、そして遠回りの世界にて、続きの気になる終わり方だったので、「こいつぁ、長文を書くのは完結編をまった方がいいぞ…」と思い当たった次第でございます。
そしてついに、一つの終わりとなる話がきた!これは書くしかあるまい!まだ届かない!届いた!意外と熱い!とテンションを上げながら読みふけり、この文章を書いている次第。

さて。では魂のラップなわけですが。

まず、この作品の特徴として、オリジナル提督が出てきます。
けれど、この提督が恐らく人によっては非常に好きになるキャラクターなのですが、
そういう作品であること、は知っておいてもらってもいいでしょう。

以前の紹介で語った通りに、艦これ二次創作は色々な設定があります。
特に艦娘については多種多様。艤装を背負った普通の女の子から、建造で生まれる人外の何かまで。

そしてこの作品については後者。
艦娘という存在を、いわゆる「付喪神」的な、かつての艦の魂を持って生まれた人とは違う何かである。
というスタンス。
そして、提督はいわゆる「元神主」といった、視える人の立ち位置にあること。

書いている通り、シナリオとしては、提督に結構な比重が掛かっています。
艦娘もすごく魅力的に書かれてはいるのですが、「この提督」に対する「艦娘の接し方、スタンス」が、凄く重要なポイントなのだろうなぁと。

つまるところ、この物語は「提督」の物語。提督を主人公とした物語であることは先においておきたいところ。

で…何と言いますか、敢えてネタバレを避けつつ説明・いえ、解説をしようとなると、本当に……雑文になってしまいそうなので、
もうあえて、この提督に話を絞ります。

この提督。割と「ダメ人間(褒め言葉)」です。いえ、褒めてるんです。本当に。大好きなんですこういう男の人。
飄々として、何事も無愛想と無気力の間に位置するような顔をしながら、結構有能に物事を進めていく。
そして、「ある程度距離をとった」、いわゆる事務的な会話をメインとする艦娘に対しては、どこまでも毅然と、
しっかり話を進めることができる。

うん。どこがダメなんだって感じだけど聞いてほしい。
けれど、この人は凄く繊細で多面的で、そして弱い人でもあるのだと。でも恐らくその弱さは、男性なら皆抱えていて、共感できるようなものなのだろう。と思うのです。

触れるのが怖い。近寄るのが怖い。
「人間であるもの」が怖い、という彼の距離感。ヤマアラシのジレンマとか言い出すとなんかもっともらしい中二っぽさ出てきちゃうんですけど、でも割と誰でもあると思うのですよ。

だから、彼は事務的な会話は出来る。艦娘が、艦である限り、彼は有能で人間味の少ない飄々とした提督で居られる。
けれど、相手が娘であることが。――心を持つ何かであるということが、彼の脆い外壁を崩してしまう。
まあ、兵器が心を持つとかほんと困りますよね。意識のハード・プロブレムですよ。マジで。

つまるところ「生の他人が怖い」という恐怖。その恐怖の根源はまあ、色々とあるのだと思います。
生来の気質であったり、あるいは抱えたトラウマでも。

「相手が艦娘という人として扱うべきなのかどうかわからない」存在だから、というところもあると思います。
そういう意味ではあるいみ異種交流モノなのかもしれない。相手は、「兵器」なのだけど。

でも彼は逃げません。あるいは、逃げることを許してくれません。それは、多分自分が。
彼には目的があるのです。目標があって、提督をしているのです。
彼にはトラウマがあるのです。恐怖があるから、「誰か」を失うことが怖いのです。

それは、呪いに近しいよなぁ。とつくづく思うのです。いっそ呪いに浸れば、幸せかどうかはともかく吹っ切ることはできるかもしれませんけれど……。

艦娘を人として見るべきか、兵器として見るべきか。これ実際にリアルに提督してたら本当に困ると思うんですよね。
私達は「キャラクター」として見ているのです。だから軽々しく「可愛い」などと言えるのです。
だって、画面の向こうの彼女達は自分には触れてこないから。

けれど、彼という提督は、リアルに存在するわけで。「生身の他者」ってのは、割とそれだけでも恐怖の対象なのですが。
だって心が読めないですから。傷つけられることも、傷つけてしまうこともある。
画面よりこちら側の私達は、彼女達に「一方的に傷つけられる」ことはあっても意思をもって傷つけられたりとか、傷つけてしまったりとかしないですからねぇ。

とってもディスコミュニケーションです。もう嫌いな言葉に「コミュ力という言葉」と書きたい私には、そこに、どういう距離で近づけばいいかからない他者がいるだけで、恐怖を覚えるレベル。最近は鹿島が怖い…あの人の心の壁を理解したうえで乗り越えてくる感じが本当に怖い……怖い……

閑話休題。
まあ、そんなわけで…ただでさえ人間関係って難しいのに、そこに更に人として扱うべきなのかどうかわかんないものが入ってくるものだから大変でしょうよ。それは。

で、上記で書いた通り。彼は繊細です。
その脆さが、彼の魅力でもあるのですけれど。
けれど脆さも繊細さも、表には出せないんです。だから、感情は多面的で、内面はとても分かりにくくなっていて。
それは罪悪感だったり、距離感への恐怖だったり。色々とあるのでしょうけれど。
内罰的に、自分を律して。距離を測るのですが。

それでも人は信頼してしまうんです。
人を信頼して、人にも信頼されてしまうんです。

それが、彼にとってどれだけ尊く、重たいものだったのかは、新作を読むとわかるような気もします。
信頼は、怖いのです。それは、「裏切られるから怖い」ではなく。
信頼をすることもされることも、「心に重荷をつくること」ですから。
その重荷が怖いんです。
「他人が怖い」のは、「自分ではどうしようもない他人を自分の心の内側においてしまうことが、重く感じてしまうから」でもあるのです。

彼には目的があったのですが、その目的が消失してしまうのが怖いのです。
「自分にとって大切だったはずの何かが、もっと大切になってしまったもの」に塗りつぶされちゃうのが怖いのです。

自分を立たせているものは、その重さだった筈なのに。
今は別の重さが乗っかっていて、それを嫌だと思えない自分が、
――ああ、自分はこんなにも冷たい人間だったのか。
と。そんな当たり前で難しいことを、彼は悩んでしまうのです。

飛んでくる「幸い」が、彼にとっては幸いじゃないんですね。思い出を塗りつぶしてくるものは、幸福であればあるほどの苦痛になるから。

この、なんというか。この在り方。
自分で自分を縛っている繊細さが、「ああ…うん。わかるわ…」などと思ったり。
けれどこれも、横から見ている人間の勝手な思い上がりなのでしょう。

そんなかれの話は、総集編「あまつみかぼし」「遠回りの世界」で書かれています。
あまつみかぼしは、男神であって、どうじに星神であって、追われた非業の悪神でもあります。
艦娘という少女然とした物語であえて、この名を付けるのは、そういう意味なのでしょう。
「遠回りの世界」は言わずもがな。

ここまで書いていて、提督のことしか書いてない私。
艦娘にも触れていきませう。
そして、メインヒロインは龍驤です。なんかこう……他にもメインヒロイン然とした艦娘はいますけれど。
それでも、提督にとっての「特別」は龍驤です。なんです。
いやほんと可愛い。可愛いけれど、特別であって重要だから、割と大切なところで端に追いやられてる龍驤ちゃん可愛い。
だが、その気持ちは分かる。この辺も非常に細かく繊細でなんかこう身勝手な想いなのですが、
「そういうの」って、大切だから聞かせたくないんでしょうね。というもちろん他の子も大切ではあるのでしょうけれども。

そんな彼女の話といやぁ「あまつみかぼし」に入っている「セントエルモの火」この時に火がついたのはどっちだったのかなぁ、などと道すがらの道しるべを読むとおもいます。帆先に宿る、守護の火…。

それと、龍驤と提督の理解者であるところの加賀だとか。良い味を出しています…。

あと、「イーハトーヴォのこいびと」の三隅だとか。
あれは、ヤバい。甘えてしまう。心折れそうになる。
でも、あそこで折れるわけにはいかないのは、提督の決意の証だったり、彼女への罪悪感だったり、悲劇だったり……。もう色々と。

んで…なによりも。
なによりも大井ですよ大井!!!
厳しく辛辣で笑顔の裏に冷たい顔を隠しつつその素がたまに見え隠れしながらも、でも生来の優しさもやっぱり隠しきれない。
提督のことを、「あーもーこの人はー」とか思いつつも、やっぱり放っておけない。なんていい女なんだ…。
この絶対的に理解っている感、貧乏くじばかり引きそうな感じ……。
ええ、もちろん筆者は、「モラトリアムにうってつけの日」も買っております。
こちら、大井さんがひたすら可愛い話ですので、読んで。読んで…!

でも、そんな人たちに囲まれていて。いや、囲まれているからこそ、辛いと感じてしまうのがこの提督。

「世界はあなたが思っているほど冷たく厳しいものではない」

と、迎え入れてくれる世界をこそ、彼には恐怖の対象なのです。自分は救われてはいけないから。
なによりも彼女達にだけは。
その温かさが苦痛に変わるのです。暗闇を照らす光がまぶしくて、目がいたくなるのです。
それでも、伸ばしそうになって、けれど躊躇ってしまうのは……。
そんな、提督の手を取るのは。

…まとまったような気がするところで、艦娘の話も終わり。
キャラクター個々人の話をしたのですけれど、全体的な空気感がすごく好きな話です。
間の取り方もセリフ回しも、なによりやっぱり静の空気。

静かに心に沁み込んでくるような、その色合い。少しだけ線香の香りのするような、落ち着く匂い。
「なに」がそれを作っているのか、というと。やはり提督の項で触れた、「キャラクター同士の距離感」ではないかな、と。

特に、提督の距離感。提督からみた、周りへの距離。
そこには多分他の子と比べても物理的にも精神的にも、距離があるのです。
艦娘の皆がいるセカイは、温かく。提督はそれを少し離れた暗がりから、遠くの世界のように眺めている。
読者は、その提督の視点で見ているからこそ、この空気感を味わえるのではないかな、と。

物理的に艦娘はよくくっつくんですけど、提督はよほどのことでもない限り、どれだけ近づいても、
「触れる」ことは殆どしてないと思います。小さな子とかは別として…。

まあ、だから龍驤は特別なのでしょうけれど…。
「幸せな世界」「暖かな世界」に少し距離を置いて、見てしまう提督の寂寥感がこの、温かくも切ない空気を作っていると思います。

まあそんな繊細で面倒くさい愛すべき提督でほんとヒロインという感じで私は最高に、良い所もダメなところも含めて好きなのですが。
この提督が、鹿島っていうあの、人の作る距離感とか心の壁とかを割と自覚したうえで踏み越えてきそうな、よくわからん理解しがたい好意を最初から向けてくる怖い鹿島にはどういう対応とるのかな…と妄想してます。結構軽くいなすのかな…ならかっこいいな…。
いや、まあ鹿島は鹿島で、実の所アレは「信頼したい(できないから)」という恐怖への裏返しで「触れること」は出来ても「触れられること」には割と怖がるんじゃないかとか妄想してるんですけど閑話休題。

とにかく読んでくれ。この空気感を味わっていただきたいのです。具体的には、こう「イマコシステム」とか「青春のアフター」とか好きな人には突き刺さりそうな男性性の恐怖と臆病を書いていて「おおおお…、艦これでなるほどこんなの書けるのか…確かに艦娘って存在はそうだよなぁ…」とか思ったりしたのです。思った。これを読んでね、興味を持った方は、ぜひ。ぽちっていただきたい。
そうしたら、私が、喜ぶ。

私、再録されていた「Love me do」や、「アイラブユーのゆくえ」といった、オリジナルのお話も読んだのですがどれも大好きでした。特に「Love me do」のあの距離感の取り方。掴み方。もうなんか、好きとしか言えないのです。

「Love me do」は再録されているので、こちらを読んでこの空気と世界が染み渡ったならきっと刺さる。はい。


そんなこんなで…本当にまとまっていないのですが、今回はこの辺りで筆をおきたいと思います。
なんていうか、好きです!

最後にこの言葉「人間って面倒くさいわね」で締めたいと思います。
長文失礼しました。

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プロフィール

森野いづみ

Author:森野いづみ
ノベルゲームを製作してたりするフリーライター。業務実績は下記にてのせています。
http://girlwhodreams.blog.fc2.com/blog-entry-176.html
お仕事等のお問い合わせ、ご連絡はこちらからどうぞ。
 morinoidumi@gmail.com

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